【発売してくれてありがとう】人喰いの大鷲トリコ クリア

まずはこの動画を紹介したい。


PS3 人喰いの大鷲トリコ パイロットムービー E32009

これは7年前に公開された人喰いの大鷲トリコのトレーラーだ。 この動画見たのは卒業も近い大学生の頃だった。学校のパソコン室で暇をつぶしていた時に見つけた。 確か、プロジェクト自体が発表されたのはもう少し前だったと思う。 わたしは上田さんのゲームがずっと好きだった。 ICOは高校時代に友人の家で見つけて徹夜でプレイした。 ワンダと巨像空中庭園に登るくらいはやり混んでいる。 この動画を見て、次の新作もきっと気に入るものだと思った。本当に胸が躍った。 しかし、それから待っても待っても発売の知らせが来なかった。 でも、忘れたりそろそろプロジェクト自体流れちゃったんじゃないかな等と思った頃に「開発続いてます!」という知らせは入っていた。 だから、そのたびに嬉しくて、ずっと忘れず待っていた。 ICOワンダと巨像PS3でリニューアル版が発売されたタイミングで「トリコも出るし」とPS3を購入した。 その後今作がPS4で発売したため、PS3はこれ以外にさほどやりたいソフトはニーアくらいしか出なくて使いこなせず、現在の本体は父が延々と信長の野望をプレイしているという謎の展開になっている。 それから7年。 生活が大きく変わったわけではないが、就職して、仕事も軌道にのりかけてきた。 正直2016年10月に予約受付から最後の発売延期が発表された頃だって本当に発売されるかなんて信じてなかった。 そんな中でついに、ついに発売されたのだ。 amaz○nでポチって家に届いた現物を見るまで信じてなかった。そして見ただけで泣きそうになった。夢じゃなかった。 仕事がひと段落ついたクリスマスにPS4を買った。徒歩で抱えて帰ってきた。 セッティングして年末ごろからプレイを開始した。 というわけなので、この記事はレビューとしては甘々な文章になってしまうのは、それも愛ということで許して欲しい。

まっさらな気持ちでやプレイできるのは1周目だけなのだ。貴重な機会である。 なるべく攻略を見ず、ステージを歩き回って散策し、ひとつひとつを噛みしめるようにプレイした。 トレーラーのときからかわいいくて仕方なかったトリコは、普段から実際に仕掛けを目の前にしたときのリアクションまでの実際の動きがさらにきれいでかわいかった。ヒントを出すトリコそっちのけでなでなでしていたい。 途中で起こるイベントも、とにかく一生懸命トリコが少年を助けてくれて、少年を通してというよりリアルにトリコへ愛着がどんどんわく。イベントのたびに「トリコありがとー!!」とよしよしなでなでしていた。 ゆっくりとプレイしていたので、AIの不便さは感じなかった。大体指示通りには動いてくれていたし、多少不便であっても「人間じゃないしねぇ・・・」で納得はできた。しかし、トロフィー等のため早解きしようとしたらいらつくようなことはやはりあると思う。せめて2周目以降はトリコに指示ができる状態で始まってもよかったかも。 ほか、レビューでよく指摘されている点について。 操作性はICOで慣れていたので問題はなかった。鎖の登り降りなんかはちょっとやりやすくなってたし。 1番問題だったのはカメラだと思う。やっぱり全体的にちょっと近すぎる。仕掛けの場所にもうまく向いてくれなかったりして、散策していると少し酔いも感じるし、疲れた。 よって、トロフィーをコンプリートするのはちょっと諦めている。あまり何周もするには向いてないと思う。 そして犬を飼っていた動物好きとしてつらいのはトリコが傷つく場面だった。あまり痛そうにしないのはまだ救いなんだけど、トレーラーの時点でなんか色々刺さってて嫌な予感はしていた。プレイ中もエンディングにちょっと嫌な予感はしていた。

そういう難点はあるけれども、1周目はおそらく20時間くらい(多分相当遅い)トリコと楽しみながらプレイして、クリアする頃には涙でベチャベチャになっていた。久しぶりにこんなに泣いた。すごくつらかった。 ゲームのスタート地点である鎖のある場所がエンディングで映っただけで泣いた。わたしはゲームのオープニングからこの鎖を見ていたのではない。最初に挙げた1番最初のトレーラー動画からだ。7年前からなのだ。 7年前からわたしの「人喰いの大鷲トリコ」は始まっていて、いまの今ここでやっと終わりを迎えたのだ。

たしかに、7年は長すぎたかもしれない。そのあいだにいわゆる「雰囲気ゲー」と言われるジャンルも色々なものが出ており、珍しいものではなくなった。ライトなものが増え、トリコのようなフルプライスでの発売は珍しくなった。 そんな状況である今であっても、プレイして後悔のない素晴らしいゲームだったと思う。

そして感謝の気持ちでいっぱいだった。 ずっと頑張ってくれてありがとう、トリコ。 ちゃんと発売してくれてありがとう、SIE。 製作してくれてありがとう、全スタッフの皆様。 7年も諦めないでくれてありがとう、上田さん。 次回作も楽しみです。